人身と物損の違い
1)人身事故と物損事故
人身事故とは交通事故によって被害者が怪我を負った、もしくは死亡した事故です。
物損事故は、交通事故により自動車や車内の物品が破損した事故をいいます。
人身事故か物損事故かどちらで扱われているか分からないときは、交通事故証明書を取り寄せてください。証明書の右下に人身事故か物損事故か記載されています。
2)人身事故を物損事故扱いにするリスク
◎人身事故なのに物損事故扱いにしてほしいと加害者から頼まれることがあります。それは加害者に次のようなメリットがあるからです。
1)反則金の点数が加算されない。
2)刑事罰を受けることがない。
3)加害者が支払う賠償金が少なくてすむ。
◎しかし、物損事故扱いは被害者のデメリットが大きいので注意してください。
① 賠償金が少額になります。
物損事故では自動車の修理代等を請求できるだけなので、賠償金額は少なくなります。
② 病院の治療費や通院慰謝料を請求することができません。
また後遺障害が残っても後遺障害慰謝料や逸失利益を請求することができません。
③ 実況見分調書が作成されません。
物損事故の場合、警察が作成するのは物損事故証明書です。
しかし、簡単なものなので、事故状況の証明としては不十分です。
3)物損事故から人身事故に切り替える方法
事故直後は事故による痛み等がなく、物損事故として届け出た場合であっても、速やかに手続きをとれば、人身事故に切り替えることができます。
病院で診察を受けて、医師から診断書を書いてもらって警察署に届け出て人身事故に切り替えてください。
事故日から日数が経過していると、交通事故と怪我の因果関係が証明し難くなり、警察が人身事故に切り替えてくれない場合がありますので、注意してください。