主婦の休業損害
1)休業損害とは、交通事故による怪我が原因で仕事ができなくなったときに、休業期間に応じて請求できる賠償金のことです。
サラリーマンの場合だと入通院で出勤できなかった日数に応じた給料分の賠償金を請求することになります。
では、外で仕事をしていない専業主婦に休業損害が認められるのでしょうか?交通事故によって家事を行うことに支障が生じた場合、家事に支障が生じたことを金銭的に評価し、これを休業損害として請求することができます。
2)休業損害の計算方法
休業損害は、「1日当たりの基礎収入額×休業日数」によって計算します。専業主婦の場合、基礎収入額をどのように考えるかが問題になります。
① 自賠責基準
自賠責基準とは、自賠責保険で損害賠償金を算定する場合の基準です。基礎収入は原則的に1日当たり5700円で計算します。
② 裁判基準
基礎収入として賃金センサスの女性学歴計・全年齢平均収入が用いられます。平成27年は約376万円でしたので、1日当たりの基礎収入額は、1万300円となります。
3)専業主婦の休業日数
休業日数について次のような裁判例の考え方があります。
1)通院実日数を休業日数とみる方法 | 2)段階的に休業日数を計算する方法 |
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例えば、通院開始から症状固定までの期間を4等分したうえで、最初の4分の1の期間は100%休業、次の4分の1の期間は75%休業とし、その次の4分の1は50%、最後の4分の1を25%休業とします。
具体的な計算(基礎収入1万円、治療期間200日)は、以下のとおりになります。
1万円×100%×50日=50万円
1万円×75%×50日 =37万5000円
1万円×50%×50日 =25万円
1万円×25%×50日 =12万5000円
計 125万円
4)保険会社は、基礎収入額として自賠責基準の5700円を用いたり、休業日数を少なく評価して休業損害を提示してきます。
休業損害について疑問が生じたときは、是非とも弁護士に相談してください。