慰謝料
1)慰謝料の種類
◎死亡慰謝料
死亡慰謝料とは交通事故の被害者が死亡した場合、死亡させられたことに対する慰謝料をいいます。また、被害者の遺族に対しても独自の慰謝料請求権が認められています。
◎入通院慰謝料
交通事故により傷害を負った場合に認められる慰謝料です。原則として入通院期間を基礎に計算されるので、治療期間が長いほど慰謝料は高額になっていきます。
◎後遺障害慰謝料
後遺障害等級に応じて算定されます。
2)慰謝料の計算の仕方
自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つの支払基準があり、どの計算方法を用いるかによって慰謝料の金額が大きく異なります。自賠責基準が最も低く、任意保険基準、裁判基準の順序で高額になっていきます。
◎死亡慰謝料
①自賠責基準
被害者本人の慰謝料 | 350万円 |
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遺族(被害者の父母、配偶者及び子)の慰謝料 | 請求権者1人の場合 | 550万円 |
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請求権者2人の場合 | 650万円 | |
請求権者3人以上の場合 | 750万円 |
②裁判基準
被害者が一家の支柱の場合 | 2800万円 |
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被害者が母親・配偶者の場合 | 2500万円 |
その他 | 2000万円~2500万円 |
裁判所基準は、死亡慰謝料の総額であり、遺族固有の慰謝料も含まれています。一応の目安を示したものなので、加害者の過失内容や事故後の対応など悪質な場合は、慰謝料増額の理由とされます。
◎入通院慰謝料
①自賠責基準
「入通院期間(総治療期間)×4200円」
によって計算します。ただし、実際に通院した日数が少ないときは、「実治療日数×2」が基準となります。
②裁判基準
入院期間と通院期間を縦軸・横軸にした算定表が目安になります(赤い本参照)。軽傷の場合と通常程度の怪我とでは異なった算定表が用いられており、軽微な怪我の場合だと通常程度の怪我に比べて慰謝料が3分の2程度に減額されます。
◎後遺障害慰謝料
どの基準でも後遺障害の等級ごとに慰謝料の相場が決まっています。