高齢女性の逸失利益
高齢の専業主婦に逸失利益は認められるでしょうか。
もはや自ら生活していくための日常的活動にすぎないとして逸失利益を認めない考え方もあります。しかし、その家事労働によって同居の親族が利益を受けている場合には、その経済的価値が逸失利益として認められます。
主婦の逸失利益は、原則として女性の全年齢平均を基礎収入として計算しますが、65歳以上の女性については、65歳以上の年齢別平均賃金が利用されます。しかも、その平均賃金の70~80%程度に減額して基礎収入とすることが多くなっています。
従前の裁判例では50%減額する傾向にありましたが、最近は家事労働の実態に着目して、例えば、同居の家族の家事負担の状況や家族の介護も行っているなど家事労働の内容なども考慮して判断していると思われます。
[2020.02.23]