軽微な事故の治療費支払い拒否
被害者が加害者に請求できる治療費は、事故と相当因果関係のある治療費に限られます。軽微な事故の場合、任意保険会社は事故と治療費の間に相当因果関係が認められないと主張して、治療費の支払いを拒否してくることがあります。そんなときは、自賠責保険に被害者請求することを検討します。任意保険会社が認めなくても、広く被害者の保護を目的とする自賠責保険では因果関係が認められることがあるからです。
しかし、自賠責保険でも認められないとなると、治療費が自己負担となってしまいます。
自賠責保険が因果関係を否定してくる軽微な事故には以下のものが挙げられます。
① 低速度での衝突事故
② 物損の修理代がおおよそ20万円以下の事故
③ 自転車と自動車の衝突事故で自転車が転倒していないもの
これらの軽微な事故であっても症状が発症し、治療が長期化する場合があることは否定できません。
そこで、事故と治療費の因果関係が否定されかねない類型の事故の場合は、ただ漫然と治療を継続するだけでなく、治療が長期化している原因を解明する必要があります。弁護士ともよく相談のうえ、慎重に治療や賠償請求を行うようにしてください。
[2020.02.25]