症状固定日の争い
症状固定日がいつなのか、争いになることがあります。一般的には、後遺障害診断書に症状固定日と記載された日が、症状固定日とされることが多いのですが、症状固定日が問題になった場合、裁判では、
① 傷害及び症状の内容(例えば、神経症状のみか)
② 症状の推移(例えば、治療による改善の有無、一進一退か)
③ 治療・処置の内容(例えば、治療は相当なものか、対症療法的なものか、治療内容の変化)
④ 治療経過(例えば、通院頻度の変化、治療中断の有無)
⑤ 検査結果(例えば、他覚的所見の有無)
⑥ 当該症状につき症状固定に要する通常の期間
⑦ 交通事故の状況(例えば、衝撃の程度)
などの観点から症状固定に関する医師の判断の合理性が問われます。
したがって、治療に中断期間があるとすでに症状固定しているのではないかと疑われるおそれがありますので、医師から治療が必要だと言われている間は継続的に通院治療を続けてください。
保険会社は、主治医から毎月送られてくる治療経過の報告書を見て、同じ記載内容が続いていれば、症状固定しているので治療費の支払いを打ち切ると連絡してきます。治療によって症状が改善していることを主治医にカルテに記載してもらってください。
[2020.07.29]